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大阪地方裁判所 平成11年(ワ)8609号 判決 2000年6月02日

第一事件原告

三井海上火災保険株式会社

被告

大阪トンボ交通株式会社

ほか一名

第二事件原告

大阪トンボ交通株式会社

被告

藤田陽子

主文

一  被告大阪トンボ交通及び被告田上は、原告三井海上に対し、連帯して、金四四万七六一六円及びこれに対する平成一〇年五月三〇日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  原告三井海上のその余の第一事件請求をいずれも棄却する。

三  被告藤田は、被告大阪トンボ交通に対し、金四五万八三三八円及びこれに対する平成一〇年三月二八日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

四  被告大阪トンボ交通のその余の第二事件請求を棄却する。

五  訴訟費用は、第一、第二事件を通じ、これを五分し、その二を被告大阪トンボ交通及び被告田上の、その余を原告三井海上及び被告藤田の負担とする。

六  この判決は、一、三項に限り仮に執行することができる。

事実及び理由

第一請求

一  第一事件

被告大阪トンボ交通及び被告田上は、原告三井海上に対し、連帯して、金一一一万九〇四〇円及びこれに対する平成一〇年五月三〇日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  第二事件

被告藤田は、被告大阪トンボ交通に対し、金七四万〇二三〇円及びこれに対する平成一〇年三月二八日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

第二事案の概要

一  争いのない事実等(証拠により認定した事実については証拠を掲記する。)

1(本件事故)

(一)  日時 平成一〇年三月二八日午前一時三四分ころ

(二)  場所 大阪府枚方市香里ケ丘二丁目八番二号先路上

(三)  田上車両 被告田上運転の普通乗用自動車(大阪五五く四〇〇〇)

(四)  藤田車両 被告藤田運転の普通乗用自動車(大阪三五さ四七三一)

(五)  態様 本件事故現場交差点で田上車両と藤田車両が出合頭に衝突したもの(藤田車両の対面信号は黄色点滅、田上車両の対面信号は赤色点滅であった。)

2(被告大阪トンボ交通の責任)

被告大阪トンボ交通は、被告田上の使用者であり、本件事故は、その業務執行中に発生した。

3(藤田車両の損害)

車両修理費用及びレッカー費用 一一一万九〇四〇円(甲二)

4(原告三井海上の保険代位)

(一)  自動車保険契約(甲三)

原告と藤田車両の所有者である藤田毅は、平成九年一一月一七日、次の自動車保険契約を締結した。

(1) 証券番号 第六一一二四八二九四一号

(2) 保険種類 SAP(車両保険付)

(3) 保険者 原告三井海上

(4) 保険契約者 藤田毅

(5) 被保険自動車 藤田車両

(6) 保険期間 平成九年一二月一〇日から一年間

(二)  保険金支払(甲四)

原告三井海上は藤田毅に対し、平成一〇年五月三〇日、右保険契約に基づき、車両保険金として前記一一一万九〇四〇円を支払った。

5(田上車両の損害)(乙三)

修理費 五九万七二三〇円

二  争点

1  事故態様・責任

(一) 原告三井海上、被告藤田

被告田上は、安全確認義務違反による過失によって本件事故を発生させた。

(二) 被告大阪トンボ交通、被告田上

(1) 被告田上は、本件交差点手前で一時停止し、左右を確認しつつ徐行して交差点に進入したところ、突然田上車両の左側から交差点に進入してきた藤田車両に田上車両の左後側部に衝突された。

(2) 被告藤田は、対面信号が黄色点滅であったのであるから、減速して車両の動静を注視し、十分に安全を確認したうえで徐行して交差点に進入すべき注意義務があるのにこれを怠り、漫然と、交差点に進入し、更に田上車両を確認した時点でブレーキをかけるべきところを誤ってアクセルを踏むという過失により本件事故を発生させた。

2  弁護士費用(被告トンボ交通) 一四万三〇〇〇円

第三判断

一  争点1(事故態様・責任)

争いのない事実等1(本件事故)に証拠(甲二、五、乙一の1、2、三、四、五の1、2、七、被告藤田本人、被告田上本人)を総合すると、次の事実が認められる。

1  本件事故現場は、ほぼ南北方向の道路とほぼ東西方向の道路が交差する交通整理の行われていない交差点(以下「本件交差点」という。)であり、南北道路の信号は赤色点滅、東西道路の信号は黄色点滅の状態であった。

本件交差点における見通しはお互いによくなかった。

2  被告田上は、田上車両を運転して、南北道路を北から南に向かい本件交差点に至り、同交差点手前で一時停止した後、同交差点を直進進行しようとしたところ、東西道路を東から西に向かい進行してきた藤田車両前部が田上車両左側後部に衝突し、その結果、田上車両は本件交差点南西角付近にあるフェンスに車両後部を衝突させた。

なお、被告田上は、藤田車両には衝突の瞬間になって初めて気づいたものである。

3  被告藤田は、藤田車両を運転して、東西道路を東から西に向かい本件交差点に至り、南北道路の車両の動静に全く注意することなく加速の上で本件交差点を直進進行しようとして本件事故を発生させた。

4  本件事故は、藤田車両前部が田上車両左側後部タイヤ付近に衝突したものである。

以上の事実が認められ、これを覆すに足りる証拠はない。

なお、被告藤田本人尋問の結果中には、被告藤田は本件交差点手前で一時停止したうえで発進し、その後田上車両を発見したが、被告藤田の方が優先であったから田上車両が止まると思って、アクセルを踏んで直進した旨の供述部分があるが、右供述自体不自然である上に、一時停止後の事故であれば、田上車両は本件事故により本件交差点南西角付近まで飛ばされることはなかったものと考えられること、右に反する被告田上本人尋問の結果等に照らすと、右供述部分は採用できない。

前記認定の本件事故の状況からすると、被告田上にも交差道路の車両の動静に対する注意が十分でなかった点に過失があるが、本件事故の主な原因は、見通しのよくない交差点を通行するに当たり、交差道路の車両の動静に全く注意することなく、加速の上で通過しようとした被告藤田の過失にあるというべきである。

右の事情を総合考慮すると、本件事故についての過失割合は、被告藤田六割、被告田上四割と認めるのが相当である。

二  請求しうる額

1  原告三井海上

支払保険金額一一一万九〇四〇円の四割に当たる四四万七六一六円

2  被告大阪トンボ交通

(一) 修理費五九万七二三〇円の六割に当たる三五万八三三八円

(二) 弁護士費用 一〇万円

本件事故と相当因果関係のある弁護士費用は、一〇万円と認めるのが相当である。

(三) 以上合計 四五万八三三八円

三  よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 吉波佳希)

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